経営十二ヶ条(稲盛和夫氏の教え)

第一条 事業の目的・意義を明確にする 

 稲盛和夫氏が自ら実践した経営十二ヶ条で、京セラやKDDIを世界的企業に成長させ、日本航空の再建を成功させました。その考え方を、私なりに解説したいと思います。

この第一条は、私たちが何のためにこの会社で働き、どのような価値を生み出しているのかを、はっきりと理解することが最も重要だと述べています。即ち、経営理念やビジョンの理解と共有です。

●事業の目的や社会的な意義を理解することで、自分の仕事が単なる作業ではなく、より大きな目標に貢献していると感じられ、仕事へのやりがいや意欲につながります。

●会社の目的が明確であれば、日々の業務で何を優先すべきか、どのように行動すべきかの判断がしやすくなります。 迷ったときに、立ち返るべき羅針盤となるのです。

●全ての社員が共通の目的意識を持つことで、チームワークが向上し、会社全体が同じ方向に向かって進むことができます。

●社会や市場の変化が激しい現代において、不変の目的を明確にしておくことは、変化に対応しながらも、会社の軸を保つ上で重要です。

 私たちの会社も、全員で、この「経営十二ヶ条」を理解して、その力を信じて行動すれば、必ず、素晴らしい企業になると、私は確信しています。一緒に素晴らしい会社を創っていきましょう。

Earthink株式会社 経営理念

私たちは、共に働く仲間全員物心両面幸せを追求します。

私たちは、常に創意工夫を行い、お客様幸せ笑顔をお届けします。

私たちは、永続的革新創造を行い、人類社会世界進歩発展に貢献します。

経営理念こそが、事業の目的意義です。

「人間として何が正しいかで判断する」― 稲盛和夫のフィロソフィが示す現代への教訓

人は日々、大小さまざまな選択をしながら生きています。選択の瞬間、私たちは何を基準に「正しい」と感じているのでしょうか。ビジネスの場面でも、個人の人生においても、短期的な利益や自分の欲求に流されることが少なくありません。しかし、日本の著名な経営者である稲盛和夫氏は「人間として何が正しいかで判断する」ことをフィロソフィとして掲げ、それを生涯にわたって実践しました。この教えは、今なお多くの人々に影響を与え続けています。

生き方 稲盛和夫著

稲盛和夫のフィロソフィ:利益よりも正しさを優先する

稲盛和夫氏は、京セラやKDDIを成功に導いた経営者であると同時に、哲学者とも言える存在でした。彼のフィロソフィの根幹には、「人間として何が正しいか」という倫理的な判断基準があります。稲盛和夫氏は、企業経営においても、個人としての生き方においても、利益や効率性ではなく「正しさ」に基づいて決断することを強く信じていました。

例えば、京セラ創業時、稲盛和夫氏は利益よりも社員一人ひとりの幸福を最優先に考える経営方針を打ち出しました。これは当時のビジネス界では珍しく、短期的には非効率とさえ見られることもあったでしょう。しかし、彼の哲学を貫いた結果、京セラは一流企業へと成長し、社員の幸福と企業の成功が両立できることを証明しました。これは、「人間として何が正しいか」を優先することで、長期的な成果と信頼が築かれることを示しています。

現代社会における「正しさ」とは何か

現代社会では、技術革新やグローバル化が進み、変化のスピードがますます加速しています。その中で、短期的な利益や瞬間的な成果を重視する傾向が強まっています。しかし、こうした時代だからこそ、稲盛和夫氏が説いた「正しさ」を基にした判断基準が、より重要となっているのです。

たとえば、昨今の企業不祥事や環境問題に目を向けると、企業やリーダーたちが一時的な利益や利便性を追求した結果、長期的な信用や社会的評価を失うケースが増えています。ここで問われるのは、「利益があるから」「他の誰もがそうしているから」といった理由で判断を下すのではなく、「人間として本当に正しいのか?」という根本的な問いです。

稲盛和夫氏は、こうした場面でこそ、人間としての倫理的な判断が重要だと説いています。私たち一人ひとりも、個人や組織の利益だけでなく、社会全体のために何が正しいかを考える必要があります。短期的には不利益に見えるかもしれませんが、長期的には信頼や評価、そして自身の誇りを築く選択となるでしょう。

稲盛和夫の教えがもたらした具体的な影響

「人間として何が正しいか」を基に判断することが、どれほどの力を持つのか。稲盛氏が関わった数々の企業やプロジェクトが、その実例です。

特に注目すべきは、JAL(日本航空)の再建です。経営破綻寸前だったJALに稲盛和夫氏が会長として就任し、フィロソフィに基づく経営を実践した結果、同社は見事に再建を果たしました。稲盛和夫氏は、まず従業員一人ひとりに対して「人間として正しいかどうか」を基準にした考え方を浸透させました。そして、短期的なコストカットや売上の向上ではなく、社員全員が心を一つにして会社を支えるという「人間としての正しさ」を追求する姿勢を徹底しました。

結果、従業員の士気は上がり、チーム全体が一丸となって難局を乗り越えました。この例は、倫理的な判断基準が企業の再建にも強力な力を発揮することを証明しています。

生き方 稲盛和夫著

フィロソフィが示す未来への道

「人間として何が正しいかで判断する」というフィロソフィは、今の社会においても私たちに大きな教訓を与えてくれます。たとえば、環境問題や労働環境の改善といった、私たち全員が直面する課題に対しても、短期的な利益ではなく、長期的な視点で「正しいかどうか」を判断することが求められます。

企業経営においても、個人の生き方においても、この考え方を持つことは、現代の複雑な課題に対する解決策の一つとなり得るでしょう。稲盛和夫氏が示した道は、簡単なものではありませんが、その道を選ぶことで、私たちはより良い未来を築くことができるのです。

Earthink株式会社 フィロソフィ

1-2-1「人間として何が正しいかで判断する」


人間として正しい生き方、あるべき姿を追求することは、もはや私たち個人的な問題で
はありません。人類を正しい方向に導き、地球を破滅の道から救い出すためにも、一人ひ
とりが自分の「生き方」をいま一度見直す必要があるのです。
そのためには、人一倍厳しい生き方をおのれに課し、絶えず自分を律することが不可欠
です。一生懸命、誠実、まじめ、正直・・・・そうしたシンプルで平易な道徳律や倫理観
をしっかり守ること、それを自分の哲学や生き方の根っこに据えて不動のものにすること
です。
人間として正しい生き方を志し、ひたすら貫きつづける。それが、いま私たちにもっと
も求められていることではないでしょうか。「人間として何が正しいかで判断し、行動する」
ことが、私たち一人ひとりの人生を成功と栄光に導き、また人類に平和と幸福をもたらす
王道なのです。

生き方 稲盛和夫著

稲盛和夫の成功方程式「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」が示すもの

「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」——この方程式は、日本を代表する経営者である稲盛和夫が提唱した成功の法則です。このシンプルな数式は、人生や仕事において結果を最大化するために何が必要かを明確に示しています。それぞれの要素がどのように作用し合い、最終的な成果を生むのか、この方程式を深掘りしながら考えてみましょう。

経営 稲盛和夫著、原点を語る

1. 「考え方」が与える影響

まずは「考え方」という要素です。稲盛和夫は、人生や仕事において、考え方が極めて重要であると説いています。この考え方次第で、同じ能力や熱意を持っていても、全く異なる結果を得ることがあるといいます。たとえば、ポジティブで前向きな考え方を持っている人は、困難な状況においても柔軟に対処し、新たなチャンスを見つけることができます。一方で、ネガティブな考え方を持つ人は、どれだけ優れた能力や熱意を持っていても、その力を最大限に発揮することが難しいでしょう。

実例
例えば、会社で新しいプロジェクトに参加することになった時、前向きな考え方を持つ社員は「これは成長のチャンスだ」「新しいスキルを習得できるかもしれない」といった姿勢で取り組みます。その結果、周りの同僚を巻き込んで協力体制を築き、プロジェクトを成功に導くことができます。しかし、ネガティブな考え方の社員は「どうせ失敗する」「自分には向いていない」といった思い込みから、チャレンジを避け、チームのモチベーションまで下げてしまうかもしれません。結果として、プロジェクトは失敗に終わるか、彼自身の評価が下がることになるでしょう。

日常生活での応用
家庭でも同様です。例えば、子供が学校で新しい課題に挑戦するとき、親が「君ならできる!」「失敗しても、それが学びになる」とポジティブな言葉をかけ続けることで、子供は自信を持ち、新しい挑戦にも前向きに取り組むようになります。このように、ポジティブな考え方は周りにも良い影響を与え、長期的に見れば、その人や周囲の人々の成功につながるのです。

2. 「熱意」こそが成功への原動力

次に、「熱意」について考えてみましょう。稲盛和夫は、情熱を持って取り組むことの重要性を強調しています。仕事に対する熱意がなければ、どんなに優れた能力があっても、途中で挫折してしまうかもしれません。熱意は成功へのエネルギー源であり、困難を乗り越えるための推進力となります。

実例
一例として、ある営業マンがまったく成果を上げられずに悩んでいたとします。しかし、彼は熱意を持ち続け、毎日早朝から自己研鑽を続け、営業スキルを磨きました。さらに顧客に対して誠実に接し、彼らの悩みを一緒に解決しようという熱意を伝えました。その結果、徐々に信頼を勝ち取り、大口の契約を獲得できるようになったのです。この営業マンの成功は、能力だけではなく、彼の持つ情熱と努力があってこそ成し遂げられたものでした。

日常生活での応用
例えば、趣味やスポーツでも、熱意を持って取り組むと新しい技術を習得したり、大きな目標を達成できることがあります。初心者のランナーが最初は1km走るのが精一杯だったとしても、情熱を持って毎日練習を重ねれば、最終的にはマラソン完走も夢ではありません。熱意は、目標に向かって努力し続けるための強力な原動力となるのです。

3. 「能力」をどう活かすか

最後に「能力」です。能力とは、知識や技術、経験を指しますが、これだけでは十分ではありません。能力が高い人であっても、考え方がネガティブだったり、熱意が欠けていたりすると、結果はついてきません。稲盛和夫の成功方程式では、能力は他の2つの要素と掛け算で結びつくため、単独では結果に大きな影響を与えないというのが重要なポイントです。

実例
例えば、技術力に優れたエンジニアがいたとしても、ネガティブな考え方を持ち、プロジェクトに対する情熱を感じていなければ、最終的にはその技術力を十分に活かすことができません。そのエンジニアが考え方を前向きに変え、熱意を持ってプロジェクトに取り組むようになると、同じ技術力であっても圧倒的な成果を出すことができるのです。

日常生活での応用
私たちの日常でも、能力を最大限に活かすためには、前向きな考え方と情熱が必要です。たとえば、料理が得意な人でも、家族のために愛情を持って作る料理と、ただ作業として行う料理では、その結果が全く異なるでしょう。能力だけでなく、そこにかける思いや情熱が、結果を大きく左右するのです。

4. 稲盛和夫の「フィロソフィ」と成功方程式

稲盛和夫が提唱した「フィロソフィ」、つまり人生哲学は、成功方程式と深く結びついています。彼の哲学は単なるビジネスの成功にとどまらず、人生全体を豊かにするための考え方でもあります。利他の精神や、常に感謝の気持ちを持つこと、そして社会に貢献することが彼のフィロソフィの根幹にあります。

「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」という方程式は、稲盛氏の人生哲学の集大成とも言えるものであり、私たちに大切な教訓を与えてくれます。それは、結果を左右する最も大きな要因が、私たち自身の「考え方」にあるということです。そして、その考え方に基づいて情熱を持ち、能力を最大限に活かすことが、成功への道を切り開くのです。

まとめ

稲盛和夫の成功方程式「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」は、人生やビジネスにおける成功の核心を突いています。この方程式を実践することで、私たちは自分自身の考え方を見直し、熱意を持って行動し、能力を高めることができるでしょう。稲盛氏のフィロソフィを日々の生活に取り入れることで、より充実した人生を歩むことができるのです。

経営 稲盛和夫著、原点を語る

Earthink株式会社 フィロソフィ

1-1-1「人生・仕事の結果=考え方X熱意X能力」
人生や仕事の結果は、考え方と熱意と能力の3つの要素の掛け算で決まります。
このうち能力と熱意は、それぞれ零点から百点まであり、これが積で掛かるので、能力
を鼻にかけ努力を怠った人よりは、自分には普通の能力しかないと思って誰よりも努力し
た人の方が、はるかに素晴らしい結果を残すことができます。これに考え方がかかります。
考え方とは生きる姿勢でありマイナス百点からプラス百点まであります。考え方次第で人
生や仕事の結果は180 度変わってくるのです。
そこで能力や熱意とともに、人間として正しい考え方を持つことが何より大切になるの
です。

経営 稲盛和夫、原点を語る

稲盛ライブラリー+ダイヤモンド社「稲盛和夫経営講演選集」共同

『経営――稲盛和夫、原点を語る』

『経営――稲盛和夫、原点を語る』(ダイヤモンド社)から、稲盛の言葉をご紹介いたします。

フィロソフィとは判断基準です。それは経営陣がもつべき判断基準であると同時に、それを従業員に浸透させていくと、その哲学は会社全体の判断基準となっていきます。それが企業全体の精神的なバックボーンとなって、その企業の社風をつくっていきます。つまり、あの企業はこういう考え方ででき上がっているという風土・文化みたいなものがつくられます。

企業にもし風土があるとすると、その風土をつくり出しているのは、そこに住んでいる従業員の心からかもし出されたものです。それが企業の精神的風土をつくり、社風を形づくっていくわけです。つまり、社風にまでなっていくほどの哲学を、全従業員に浸透させていかねばならないと思います。

(『経営――稲盛和夫、原点を語る』「企業経営を好転させる哲学」盛和塾関東ブロック合同塾長例会講話、1994年8月9日、p.189)

#稲盛和夫 #経営 #フィロソフィ

稲盛和夫塾長の教え「昨日よりは今日、今日よりは明日」

「昨日よりは今日、今日よりは明日」 

与えられた仕事を生涯の仕事として一生懸命行うことは大切ですが、ただそれだけでよいということではありません。一生懸命取り組みながらも、常にこれでいいのか、ということを毎日毎日考え、反省し、そして改善、改良していくことが大切です。決して昨日と同じことを漫然と繰り返していてはいけません。

 毎日の仕事の中で、「これでいいのか」ということを常に考え、同時に「なぜ」という疑問をもち、昨日よりは今日、今日よりは明日と、与えられた仕事に対し、改善、改良を考え続けることが創造的な仕事へとつながっていきます。こうしたことの繰り返しによってすばらしい進歩が遂げられるのです。

Earthink株式会社 フィロソフィ 2-5-1「昨日よりは今日、今日よりは明日」

稲盛和夫箴言集 「常に創造的な仕事をする」

継続が大切だといっても、それが「同じことをくり返す」ことであってはならない。継続と反復
は違う。昨日と同じことを漫然と繰り返すのではなく、今日よりは明日、明日よりは明後
日と、少しずつでいいから、かならず改良や改善をつけ加えていくこと。そうした「創意工夫す
る心」が成功へ近づくスピードを加速させていく。

Version 1.0.0

稲盛和夫塾長の教え「見えてくるまで考え抜く」

見えてくるまで考え抜く

 私たちが仕事をしていく上では、その結果が見えてくるというような心理状態にまで達していなければなりません。

 最初は夢や願望であったものが、真剣にこうして、ああしてと何度も何度も頭の中でシミュレーションを繰り返していると、ついには夢と現実との境がなくなり、まだやってもいないことまでもが、あたかもやれたかのように感じられ、次第にやれるという自信が生まれてきます。これが「見える」という状態です。

 こうした「見える」状態になるまで深く考え抜いていかなければ、前例のない仕事や、創造的な仕事、いくつもの壁が立ちはだかっているような困難な仕事をやり遂げることはできません。

Earthink株式会社 フィロソフィ 2-5-3「見えてくるまで考え抜く」

稲盛和夫箴言集 見えてくるまで考え抜く

夢が大きければ大きいほど、その実現までの距離は遠いものになる。しかし、成就したとき
の姿や、そこへ至るプロセスを幾度もシミュレーションし、眼前に「見える」まで濃密にイメー
ジしていると、実現への道筋がしだいに明らかに見えてくるとともに、そこへ一歩でも近づく
ためのさまざまなヒントが、何げない日常生活からも得られるようになっていく。いわゆる創
造的な業績の源泉となるインスピレーションも、そのような夢を通じて強い願望を抱きつ
づけられる人にこそ与えられるものなのだ。